Maymaum’story   2018年 2月    ○印はお休み  

日本の建国記念の日は2月11日と日付が決まっているので、「今年はいつ? 何日?」といったことをあまり考えませんよね。

このような固定した祝日も、「ハッピーマンデー制度」ができてから減ってしまいました。

しかし、建国記念の日が祝日として制定されるまでには、いろいろと大変なこともありました。

それが、建国記念日とは一字違いの「建国記念の日」という名前に盛り込まれているのです。

建国記念の日は、1967年2月11日から実施されている国民の祝日です。

この2月11日という日付は、『紀元節(きげんせつ)』に由来しています。祝日として制定される前の世論調査で、半数近くの人が支持した日付でもあります。紀元節は1948年に廃止されたのですが、これを復活させようという動きが1950年代になって活発化しました。この祝日を定めるための法案が最初に提出されたのは1957年(昭和32年)です。その後、法案の提出と廃案が9回繰り返されましたが、成立には至りませんでした。最終的に成立したのは、1966年(昭和41年)のことでした。この難航を極めた祝日制定の名残りが、建国記念の日という名前と、日付が「政令で定める日*」とされていることです。

* 建国記念の日以外の国民の祝日の日付は、本法(国民の祝日に関する法律)で規定されています。この建国記念日と建国記念の日2月11日を「建国記念日」とした場合、どのような問題があるのでしょうか。こうすると2月11日が日本建国の日と限定され、紀元節に基づいていることもあり、次のような議論も出てきます。天皇が即位した日をもって、建国の日とするのは正しいのか2月11日の根拠はどこにあるのか、それは正しいのかそもそも神武天皇は神話上の人物ではないのかなどといったことです。そして、これらすべてを解決するために「の」を入れて解釈の幅を広げたのです。

つまり、「建国記念の日」とすることによって、「日本が建てられたことを記念する日」という解釈もできるようにしたのです。その結果、上の3つに対しても天皇の即位があった日と限定していない記念日を2月11日にしただけで、建国された日とはしていない誰が建てたと限定していない。とかわすことができます。たった一文字で、これだけの「あいまいさ」を生み出してしまう日本語には感心しますね。

2018 ジャパノート -日本の文化と伝統を伝えるブログhttp://idea1616.com/kenkokukinen/より